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国産初のマニュファクチュールへ 『ひげゼンマイの開発』

2016.08.01

現在でも多くの時計メーカーは、時計の核となるムーブメントの調達を他社に依存しています。

腕時計開発当初、体制が整っていなかった日本で時計を製造開始していたセイコーは、他社のムーブメントに依存することなく、高い精度の製品を製造することを志し、1960年代頃からひげゼンマイなどを含むムーブメントを完全自社開発し続けています。

 

ムーブメントはもちろんのこと、ひげゼンマイの製造、開発には非常に高度な技術を必要とされるため、ひげゼンマイを含むムーブメント全てを自社開発をし、自社一貫型製造(マニファクチュール)を研究しだしたのは日本ではセイコーだけです。

 

セイコーの機械式ムーブメントにはSEIKO、45GSなどに搭載されたハイビート36000、ひげゼンマイなどを含むパーツ類を一新しSEIKO SBGH001などのモデルに搭載されたキャリバー9S85、更に進化し現在販売されているSEIKOモデルに搭載されている9S86があります。

 

ひげゼンマイはもっとも重要で根幹となるパーツであるため時計の性能や精度に大きく影響を与えます。

セイコーはマニュファクチュールならでは職人による微小で入念な調整を行った結果、高い精度や耐久性を実現しています。

ひげゼンマイの素材にもこだわり、衝撃や磁力の影響を抑え、耐久性の向上やエネルギーのロスを抑える効果を発揮しています。

 

さらにムーブメントの自社開発は時計のデザインにも幅を持たせることができるため、独自スタイルのデザイン時計を製造することにも繋がります。

 

クォーツショックを引き起こしたのはセイコーですが、決して機械式時計の製造が出来なかったのではなく、より正確な時間を追及した結果であり、セイコーの腕時計全てが、より良い腕時計の形を示していると私は思います。

 

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