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全てが手作業から始まったクォーツの自社開発・製造の話

2016.09.06

1969年12月25日、SEIKO(セイコー)は、世界初のクォーツ(水晶)式腕時計

「クォーツ アストロン」を発売しました。

 

1959年にSEIKOが開発した最初のクォーツ時計は

真空管式の大きなもので、高さ2.1m、幅1.3mと、大きなタンスのようなものでした。

 

そこから3年後の1962年に、SEIKOの船舶用クォーツ時計が開発され、

約45cm角の大きさ、重量約30kgとなり、飛躍的に小型軽量化されました。

 

そして1964年の東京オリンピックの公式計時をセイコーが担当することが決まり、

セイコーは、長距離レースの計時用に持ち運びが出来るクォーツ時計の開発を進め、

1963年に、「クリスタルクロノメーターQC-951」を開発しました。

その大きさは、縦20cm×横16cm、厚さ7cm、運搬用のケースを含め総重量が3kgと、

容易に持ち運びできるサイズでした。

 

これらのことから分かるように1950年代以降セイコーは衝撃に強く、高精度な「クォーツ式」の電子腕時計を研究していました。

 

「クォーツ式」の電子腕時計の研究は、「水晶振動子」の小型化と、「省電力化」が難しい課題でした。

ですが、水晶振動子を自社で開発することによって小型化に成功し、

独自の間欠運針型のステップモータを採用することによって省電力化を実現しました。

 

このようにセイコーは様々な課題を乗り越えて、クォーツ腕時計の完成に至ったのでした。

 

この世界初のクォーツ腕時計は、「クォーツ アストロン」と名付けられ、

1969年12月25日、45万円(当時の価格)で発売されました。

 

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