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スプリングドライブの歴史

2016.09.05

キネティッククォーツ(自動巻機構により発電しクォーツ機構を動かす時計)は、制御するためにキャパシタと呼ばれる蓄電部が必要となっており、この部分の劣化により動かなくなってしまうことがありました。

 

セイコーは、このキャパシタの劣化にキネティックの限界を見出し、新しい技術の開発を考えます。

 

そこでSEIKOはスプリングドライブという新技術を開発します。

 

1999年にこのスプリングドライブという新技術を導入し、グランドセイコーの最高級モデルを販売しました。

 

このスプリングドライブという技術は、機械式時計にあったゼンマイを動力として発電し、クォーツ機構を駆動させるという機械式とクォーツの完全なるハイブリッドでした。

キネティックと違い、キャパシタの劣化などがないため、着用し続けていれば常に稼働し、精度もクォーツ機構を搭載しているため並の機械式時計では太刀打ち出来ないレベルでした。

 

今までになかったこの技術は世界でも評価されSEIKOブランドより高めることとなります。

 

実はこのスプリングドライブ、原理自体は1977年頃に完成したものの技術力が不足しており実用段階まで至ることができなかったそうです。

SEIKOが時計の歴史の中で衝撃を与えた機構である「自動巻」や「クォーツ」に変わる第三の機構としてスプリングドライブを実用販売するのに約22年がかかりました。

販売から20年近く経った今でもこのスプリングドライブはSEIKOの上位モデルにのみ搭載が許される機構となっています。

ですがいずれこの技術もかつてのクォーツのようにブレイクスルーが起こり、より庶民に普及していくこととなるでしょう。

そのブレイクスルーを起こすのはSEIKO自身か、新興、メーカーであるかは分かりませんが。

 

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